人生について回る数字。

両親が離婚したのは、今の僕の年齢32歳だったそうだ。

当時僕は6歳で、ちょうどその離婚にあわせて久留米の田舎から福岡市内に引っ越してきた思い出がある。

父と母は離婚後も子供のことやお金のこと、家族のことなんかで定期的に連絡を取っており、母に引き取られた僕らも、父と会ったり祖父母に会いに行ったりみたいなことは普通にやっていたので家族のことでコンプレックスだったりグレたりみたいなことも特になかった。

今も福岡に帰る度、どっちの親の家に行こうかと考えることができるので、これもひとつの家族の形であり幸せなのかもしれない。


そんな父が先日6月3日で60歳、還暦を迎えた。ところが、まぁふざけたことに家族の誰も父の誕生日を覚えてなかった。赤いちゃんちゃんことか全く準備してない。わりかし我が家はそんなところあるけど、今年ばっかりは無理はないかもしれない。

同じ日に、父の父である僕の祖父が亡くなった。90歳。大往生だ。


もうだいぶボケてたし、体も不自由してたそうだが特に病で苦しんでとかいうわけじゃないからその顔は安らかだった。

(それでも何かと大変だったと思うけど)


葬儀では、気持ちが溢れた父や叔父の初めて見る姿に驚いてなんか冷静になってしまい、更に特に悲しみみたいなものが湧いてこない自分に少し引いてしまった。

なんか自分も泣いた方が良いのか..とか考えてしまってたりしたが、自分が死んだときはこんな風に自分の子供達が泣いてくれる人でありたいなとだけ強く思った。


とにかく、人はいつか死ぬ。自分は祖父から続く命をつなげていく線上にいる。そしてきっとこれを次へと渡す日が来る。そんなことを、改めてグルグルと輪廻のように考えた旅だった。

 


6/5 東京へ戻る機内にて。